東海大学札幌キャンパス海洋生物科学科の木原稔(きはらみのる)教授らの共同研究が医学と水産業の分野で注目されています。
その研究成果というは、グレリンを含むシロサケの胃の抽出物に心不全を予防する効果があることを確認したというもので、心不全のマウスにグレリンを含む胃の抽出物を混ぜたエサを与えたほうが心筋異常が少なく、死亡も少ないことが確認されたのです。「魚類由来のグレリンを抽出したものをエサの中に混ぜて食べさせることによって、心不全を予防する効果を得られたということは、これは世界初のケースだと。現在は、抽出物の中の有効成分がグレリンだということの確定を急いでいるところであります」と、木原教授。
サケの道内の生産量は15万トンで、そのうち廃棄処分される胃は900トンにも及ぶのです。そのほかの魚も含めて、捨てられる魚の内臓の有効活用につながればすごいですよね。魚の胃に含まれるグレリンを活用して医療に貢献しようという、木原教授らの研究はこれからも続きます。