地球の約7割は海だと、何度も聞いてきた。
しょっぱくて、魚がいて、夕日がきれいで。
わかったような顔で、わかっていなかった。
2016年。
はじまりの夏。
あのとき、祝津の海で出会った子どもたちは、
もう大人になっている頃だ。
スパンコールのようにきらめく海。
まぶしすぎる太陽。
波の音に、少しだけ不安で、少しだけ高鳴った気持ち。
あの日から、私たちは海へ向かい続けた。
陸から眺めていた海と、
海に包まれたときの景色は、まるで違った。
船に乗り、波に揺られ、
世界が、ほんの少し広がった。
とげとげなやつ、カラフルなやつ、ぬるぬるしたやつ、
目に見えない、小さな命。
観て、触れて、時には食べて。
五感で知ったのは、
海は“つながり”でできているということだった。
ひとつでも欠けたら、成り立たない。
それでも私たちは、まだ何も知らなかった。
大学の先生、研究者、漁師、養殖に向き合う人、
ダイバー、飼育員、船長、港で働く人、市場の人、加工場の人、料理人。海を撮る人、描く人、伝える人。
人の数だけ、海があった。
同じ海を見ているはずなのに、
誰もが違う言葉で語った。
そして、何度も聞いた。
「海が変わってきた」
海は、今日も青い。
一日の終わりには赤く染まり、
夜には、漆黒の世界を月の白い光が突き刺す。
何も変わらないように見える。
でも、その奥で、
確かに何かが変わり続けている。
だから私たちは、
その声を届けようとしてきた。
すべてが届いたとは思わない。
でも、
はじまる前より、
海に思いを寄せる人は、きっと増えた。
北海道の海を、
何度も、何度も訪れた。
日本海、オホーツク海、太平洋。
同じ海は、ひとつもなかった。
荒れる日もあった。
静かな日もあった。
思い通りにならないことばかりだった。
それでも、海はそこにあって、
私たちに何かを問いかけ続けていた。
そして、10年。
ひとつの節目に、私たちは立っている。
ここで、一度立ち止まる。
終わりではない。
次に進むための、静かな区切り。
2026年3月31日。
このプロジェクトは、いったん休止する。
そして、4月30日。
この場所も、静かに幕を閉じる。
北海道の海は、
まだまだ知らないことばかりだ。
だからきっと、
物語は、ここで終わらない。
関わってくれたすべての人へ。
海で出会ったすべての瞬間へ。
この場所を見てくれていたあなたへ。
ありがとう。
海は、つづいてゆく。
本サイトは、2026年4月30日(木)をもって閉鎖となります。
これまでご覧いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
なお、「海と日本プロジェクトinガッチャンコ北海道」は休止となりますが、
北海道の海にまつわる発信は、これからも続いていきます。
一般社団法人北海道海洋文化フォーラムのSNSにて、
引き続き情報をお届けしてまいりますので、
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